Wood Report 2 木材の流通

1 国内の森林資源の現状
  • 1.森林資源と木材の需要、供給
  • 2.木材の需給動向
  • 3.木材価格の推移
  • 4.住宅着工の動向
2 木材の流通
  • 1.木材流通の現状
  • 2.丸太の流通
  • 3.製材品の流通
3 木材の特性
  • 1.木材の構造
  • 2.木材の利用と環境
  • 3.木材の乾燥
4 木材と住環境
  • 1.住まいと湿度
  • 2.木材の暖かさと断熱効果
  • 3.床材の安全性と快適性
  • 4.目にやさしく美しい木目
  • 5.木の香りと健康
5 木材と住宅
  • 1.建築材料としての特性
  • 2.建築材料としての木質材料
  • 3.建築基準と木材が使える範囲
  • 4.木造建築物と工法

2.木材の流通

1.木材流通の現状

  平成3年のバブル経済崩壊以降、木材価格の下落に伴う木材流通構造への影響は大きいものがあります。
主たる重要先である建築部門での新設住宅着工数の停滞、減少が続く状況の中で、木質部材に係る機械プレカット化、利便性からの集成材への転換、人工乾燥化等が図られてきています。また平成12年施行の「住宅の品質確保の促進などに関する法律」による住宅の性能表示制度、瑕疵保証制度(かしほしょうせいど)等がこれらを加速させています。
国産材の流通は、今日まで多段階で、複雑な構造を有してきました。丸太・製品は小さいロットでの取り扱いが多く、原木市場・製品市場において一旦集約され、仕分・大ロットで販売されます。製品は、直接木材卸売業・小売業に大ロットで販売され需要者まで流通します。
なお、今日の製材品の流通は、大都市および地方の大手メーカー、地域の中小ビルダーにかかわらず、プレカット加工を中核とした近道的な木材流通、既存の木材市場、木材小売業を通さない取引へと大きく変化していきます。

2.丸太の流通

  国産材素材(丸太)の主な需要先は製材工場です。そこで製材工場の仕入先をみると流通業者を通るものと通らないものに2分できます。前者の主体が市売り市場で全入荷量の過半をこえています。後者は、素材生産業者(森林組合を含む)と国・公有林からのものと立木を買って自ら生産したものです。
ここ10数年は国有林、県有林などの公有林から直接に立木や素材を購入することがやや増加し、原木市場、共販所等から製材工場に流通する割合が減少しています。
平成18年の製材工場仕入先比率をみると、素材生産業者などからの直接的な仕入れがおおむね4割、原木市場など流通業者経由が6割となっています。
輸入材(外材)素材の主な需要先は、製材工場と合板工場です。商社が輸入して直接供給する経路と商社から卸売業者を経由して供給する経路があります。平成18年の製材工場における仕入先比率をみると、商社輸入による直接なものがおおむね7割、卸業者等がおおむね2割となっており、前者の割合が高まってきています。

3.製材品の流通

  国産材製材品の流通は、地場産業の成立とも深く係り販売ルートとして形成してきました。地域の地場消費を主とした出荷と、秋田杉、天竜杉、紀州材などのブランド材を中心とした三大都市圏を主とする出荷と、大きく二分してみることができます。
一方、九州地域の戦後植林された杉一般材に代表されるような人工林資源が充実してきている地域では、製材工場の大規模化、省力化が進められています。
このような生産地域では地場消費に加えて地域外へのより積極的な流通対応が必要になっており、既存の流通組織を活用しないプレカット工場、住宅メーカー等との直接取引など新たな動きも見られます。
なお、製材工場からの国産材製材品出荷量は、平成18年でおおむね700万㎥で、15年前の平成3年と比較すると40%以上減となっています。
出荷先は、建築業者おおむね2割、木材市売市場3割、木材卸売業者3割、プレカット工場等その他2割となっています。
輸入材原木からの製材品出荷量は、平成18年でおおむね540万㎥と、港湾外材専門工場の撤退等から年々減少し、15年前と比較すると3分の1にまで落ち込んでいます。
出荷先は、建築業者おおむね1割、木材製品市売市場1割、卸売業者5割、プレカット工場・商社が3割となっています。卸売業者等への割合が高いのは外材を製材する製材工場が商社の系列にある卸売業者を通じるケースが多いためとみられます。