用語集 さ行

 

さ行
在来工法(ざいらいこうほう)
日本の伝統的な建築工法で、「木造軸組(もくぞうじくぐみ)工法」とも呼ばれている。土台の上に柱を立て、その上に梁(はり)を掛け渡し、斜めに筋交い(すじかい)を入れて補強し、壁を組んで作る。柱と梁で建物を支える構造になっているため、増改築が容易で、使用する木材によって予算にも柔軟に対応できる。ただし、職人の経験や技術の差が出やすく、施工レベルや工期にバラツキが生じやすい。
逆目方向 (さかめ/ぎゃくめ) 
純目に対して食い込む形になる繊維方向。
桟木(さんき)
桟木は木材乾燥の桟積みで用いられ、材のねじれやそり等の抑制には適正な桟木の使用が極めて重要となる。桟木の仕様は、厚さ2.0~3.0cm(乾燥板の2~3倍の厚みを標準)の節や曲がりがなく、狂わない材(年輪のない材が良)を用いる。九州等ではジョンコン(サラワク産等)が最も好まれ、杉材桟木は2~3回で使用困難になることもあるという。なお、アルミ製品桟木もあるが、木材に比べて約10倍と高価である。この桟木の配置は間隔は板厚の薄いものほど狭くすることが基本となる。板厚1.2cm以下で30cm、6.0cm以上で90cm間隔を標準とする。また桟木の位置は、上下に一直線に並ぶように配置し、桟積みは風向きに対して直角とする。このような桟積み作業の効率等を高めるため北海道立林産試験場では、桟木間隔を狭く配置し、かつ一定寸法に組み立てられた桟木パレット(桟木22×15×1700㎜と角パイプ、平鋼で構成)を考案し実用化されている。
3層パネル(さんそうぱねる)
このところ、たとえば徳島県のSB(セーフティーボード)ハウスをはじめ、床、壁、天井といった面の部分を厚板にする傾向が強まっているが、国産杉材による厚板の3層パネルへの関心も高い。3層パネルは、長さ2m、径級13~45cmほどの杉丸太を原料とし、①原木皮むき→②ラミナ(板)の製材→③乾燥→④幅はぎ⑤積層→⑥仕上げ、といった加工プロセスで製品化される。最終商品の基準寸法は厚36㎜、3尺×6Rの3層パネルである。平均厚み12㎜の板をクロスして3層に積層。その板は幅はぎ接着する前に含水率8%にまで人工乾燥され、仕上がり含水率は12%前後。用途は根太レスの床、断熱材が不要な耐力壁、屋根下地材などになり、国産杉材の用途開発に力点を置いている。
敷居 (しきい)
日本建築で戸・障子・襖などを受けている溝やレールのある横木。古くは敷見。種々の俗信があり、これを踏んだり枕にすることは嫌われ(地方によっては早死するとも)、嫁が聟の家に入るときは敷居の所で死と再生を意味する儀礼が行われた。敷居越しに物をやりとりするのは葬式の作法だとして忌まれた。敷居の下に胞衣を埋める地方もある。
芯割り (しんわり)
心持ち材(樹心を含んだ木材で、柱や化粧材として使用されることが多い)の乾燥工程で、材面割れ(背割れという)が生じないように、角材の心(芯)のところに鋸目を入れることを「芯割り」あるいは「背割り」という。
芯持ち材(しんもちざい)
樹心を含んでいる柱などを芯持ち材と言う。
芯去り材(しんさりざい)
もともと芯材とは赤身ともいわれ、樹木の髄の周辺部を取り除いた挽き角、平角などである。言いかえれば辺材に近いところからとる。したがって芯去り材・芯去り角を挽くには、どちらかといえば優良な太い原木が必要でありそれだけに芯持ち材・芯持ち角より価格的に高いのが普通である。柱角の場合、関東・中部地域などでは大体が芯持ち柱を用いるが、九州地方などでは無節に近い芯去り柱を愛用する傾向がある。しかし、最近は住宅工法が変化、柱の見える日本間が減少、かわって柱が壁のうしろにかくれる洋間へ傾斜しているので、こうした化粧性を備えている芯去り柱は、ひと頃よりは珍重されなくなりつつある。芯去り柱にかわって洋間向きの並柱が増えてきている。
白太 (しらた)
木材の樹皮に近い周辺部、淡白色または白っぽい色、腐りやすく虫もつきやすいので内装材が適している「白肌/辺材/白材(しろざい)」とも言う。
針葉樹 (しんようじゅ)
葉形の多くが針葉の樹。軽くて柔らかい、晩材は重くて硬い、スギ・ ヒノキなどが代表的である。 
集成材 (しゅうせいざい)
主に合板下地に銘木の突き板(鉋屑の厚いような材)を貼って仕上げた加工材、造作、化粧材とて各枠材/階段材/床材など多くの箇所に使われている。
死に節 (しにぶし)
死に節は光沢がなく節の周りがボロボロ穴状や黒くなったり、節がから抜け落ちて抜け穴になったりする。
※枝打ち時の節や成長の過程で枝が折れたり、枯れた枝などが死に節になる。 
純目方向 (じゅんめ)
鉋削りのとき木目に対し食い込まず撫ぜるような形の繊維方向。
上小節材(じょうこぶしざい)
JASの造作用製材の材面の品質基準として定められた等級のこと。小節・上小節・無節といった等級があり、見た目の良さを表す。強度を表したものではない。上小節とは広い材面を含む1材面以上の材面において、節の長径が10mm以下で、材長2m未満にあって4個(木口の長辺が210mm以上のものは6個)以内であること。
色物(しきもの)
色物とは、体裁がよく、立派に見える木材で役物のこと。つまり並材に対する欠点の少ない上級材で小節、上小節、無節、柾目材の特等級など上質の製材品を指す。もともとは関西材界の用語で、関東で役物と称していたものを関西では色物と言っていた。今では米材上級製品については関東でも色物と呼んでいる。ただし、こうした色物も米材にしろ、樹齢100年以上の良材丸太であるオールド・グロースの減少で先細りの傾向にある。上級材といえば米材の場合、クリアー材がある。これは米材規格品の品位別の上材であり、日本の製材規格のほぼ上小節に当たる。
末 (すえ又はウラ)
立木の幹や枝の先の方。木の先端。木末 ※立ち木で見ると木の先端方向を言う。
筋交い(すじかい)
柱と柱の間に斜めに入れて建築物や足場の構造を補強する部材である。構造体の耐震性を強める効果があり、建築基準法では一定の割合で筋交いを使用することが義務づけられている。
背割り (せわり)
芯持ち材の乾燥収縮による割れを防ぐために、あらかじめ見えない背の部分に、樹心に達する割れ目をつくっておくこと。背割りがあることで、木の中心までしっかり乾燥し、また、乾燥過程で発生する割れの代わりになり、別の場所への割れが発生しにくくなるという効果があります。しかし、近年、木材の乾燥技術が進み、高周波による乾燥方式で背割りをつくらなくても乾燥できるようになり(無背割り)、さらに狂いが少なくなった。

木材は乾燥と平行して収縮する。とりわけ、切断面における収縮の違方性(半径方向は接線方向の約1/2など方向によって異なる性質)によって、未乾燥材(丸太)から柱、板、梁等の部材を製材して乾燥すると、木取りの仕方により異なった断面形状の変化(収縮の違いが応力の差となって現れ、この応力をバランスよくする特性のため材断面が歪む)を生ずる。このような木材の特質から、芯持ち柱等(木口面に芯を有するもの)では、収縮の異方性による外辺から芯に向かった放射線状の割れが一般的なものとして発生する。この状況を無くし外見的にも商品価値を維持するためには、あらかじめ、材一面の中心線から材の芯まで達する直線上の目を入れておくことが重要になる。背割りは、この直線上の目のことで、大径材等では必要により楔を入れる。一方で、近年の木材乾燥に係る技術の発達で、背割りなし柱等人工乾燥材が生産されていることにも留意する必要があろう。

積層材(せきそうざい)
実際の木材を細かく繊維方向に貼り合わせた材で化粧材として多く使われている。カウンター材/階段材/化粧枠材/床材。
昨今では構造材としても柱/梁などにも多く見られる。
造作材(ぞうさくざい)
造作材とは、建築内部の仕上げ材・取り付け材の総称。天井・床・棚・階段のほか、和室における鴨居・敷居・長押・框や、洋室におけるドア枠・沓擦り・ケーシング、笠木などに使われる。化粧材とも呼ばれる。