木材について

ANAI WOOD FACT0RY

目次

1 国内の森林資源の現状
  • 1.森林資源と木材の需要、供給
  • 2.木材の需給動向
  • 3.木材価格の推移
  • 4.住宅着工の動向
2 木材の流通
  • 1.木材流通の現状
  • 2.丸太の流通
  • 3.製材品の流通
3 木材の特性
  • 1.木材の構造
  • 2.木材の利用と環境
  • 3.木材の乾燥
4 木材と住環境
  • 1.住まいと湿度
  • 2.木材の暖かさと断熱効果
  • 3.床材の安全性と快適性
  • 4.目にやさしく美しい木目
  • 5.木の香りと健康
5 木材と住宅
  • 1.建築材料としての特性
  • 2.建築材料としての木質材料
  • 3.建築基準と木材が使える範囲
  • 4.木造建築物と工法

1 国内の森林資源の現状

1.森林資源と木材の需要、供給

  私たちの住む日本は、国土の3分の2にあたる2,510万haが森林に覆われており、世界でも有数の森林国です。
  
日本の森林資源は、第二次大戦中の必要物資や戦後の復興資材の確保のため、枯渇した時期もありました。しかし、昭和30年代以降、増大する木材需要に対応するため、薪炭林等を人工林に転換する拡大造林が行われた結果、人工林面積は約1,000万haに達しています。
  
人工林の主な樹種は、生長の早い杉、桧、唐松の針葉樹です。これらの人工林は毎年約9,000万㎥ずつ生長しており、森林蓄積は平成19年現在で44億㎥になっています。
  
人工林面積の齢級構成を見ると、50年生以上の高齢級の人工林は35%(平成19年度のデータ)ですが、10年後の平成29年には67%に増加することが見込まれています。日本の人工林資源は、「育てる時代」から「利用する時代」に移行しています。

2.木材の需給動向

  日本の木材需要量(丸太換算)は、「高度成長」期の膨大な需要の発生により、昭和48年に史上最高の1億2,000万㎥を記録しました。その後、第一次石油危機を契機に「低成長」期に入り、9,000万㎥台で推移していました。昭和62年以降は「内需拡大政策」により住宅建築が増加したため、1億㎥に回復しました。しかし、平成3年の「バブル経済」の崩壊以降、景気の後退が進み、平成10年に再び1億㎥を割り込み、平成22年は7,000万㎥になっています。
  
国民一人当たりの木材需要量は、昭和48年に約1㎥でしたが、平成22年は0.6㎥に減少しています。
  
一方、木材供給量は昭和31年~39年にかけて、木材輸入の段階的な自由化が行われ、外在供給量が急増しました。国産材供給量は昭和42年の5,300万㎥をピークに減少が続いていましたが、平成14年の1,600万㎥を底に増加傾向にあり、平成22年には1,800万㎥となっています。
  
木材自給率は、平成7年以降、20%前後で推移し、平成14年に過去最低の18.2%を記録しました。その後は国産材供給量が増加し、外材供給量が大きく減少したため、木材自給率はやや上昇し、平成21年27.8%、22年26.0%となっています。
  
用途別では、木材自給率では、製材用材が40%前後を維持しています。合板用材は外材依存が高く、自給率は数%でしたが、近年では国産材の供給量が増加したため、26.1%に上昇しています。

3.木材価格の推移

  平成7年の阪神・淡路大震災を契機に住宅の耐震性や耐久性が求められるようになり、構造材など住宅部材に対するニーズは化粧重視のものから強度など性能重視のものにシフトしました。このような中で、木材市場におけるプライスリーダーは、米材製品から欧州材製品に移行しています。
  
また木材貿易のグローバル化により、丸太の国際価格は100ドル前後といわれ、国産材の丸太価格に大きな影響を及ぼしています。

①山元立木価格
  
立木(たちき、りゅうぼく)とは、地面に生育している樹木をいいます。山本立木価格は、並丸太(末口径20~22cm、長さ3.65~4m)について最寄り木材市場渡し、素材価格から伐木
・造林及び運搬費等の生産諸経費を差し引いた1㎥当りの価格です。
  
立木価格は、杉、桧とも昭和55年をピークに62年まで下落した後、やや値を戻したが、平成3年以降、再び長期にわたる下落が続きました。しかし、平成20年以降上昇に転じています。平成22年の値では、杉2,838円/㎥、桧8,427円/㎥となっています。
  
立木価格の上昇率の高いのは、福島、栃木、兵庫、大分です。これらの県には、大型国産製材工場が立地していることから、素材・製材・生産コストや流通コストの縮減が図られ、その部分が山元立木価格に還元されたと考えられます。

②丸太価格
  
丸太価格は、平成23年平均で1㎥当り杉12,800円、桧21,700円、米栂24,400円、米松25,300円です。これは、平成2年と比較して、桧は67.9%、杉は、50.8%と大きな下落率となっています。

③製材品価格
  
製材品価格は、平成23年の平均で正角(しょうかく)(柱等に用いる製材品)1㎥当り、杉43,600円、桧66,600円です。これを平成2年と比較すると、桧42.5%、杉27.0%の下落率です。一本当りの価格を見ると、円安の影響で平成19年は、2,600円に上昇しました。その後は、円高の進行や住宅着工の減少で下落し、平成22、23年は2,200円の横ばいで推移しています。杉柱角(乾燥材)(10.5×10.5×3m)の2,130円は近年で最も高値です。

4.住宅着工の動向

  近年における住宅着工は、平成20年秋のリーマンショックの影響から抜け出せず、低調に推移しています。21年は43年ぶりに100万戸を下回り、79万戸になりました。東日本大震災直後には建設資材のサプライチェーンの寸断や住宅購入意欲の低下が見られましたが、住宅エコポイントの駆け込み需要の効果で、23年は83万戸と前年をわずかに上回っています。

①利用関係別
  
建築主が自ら住むために建築する「持家」は31万戸(36.6%)、分譲マンションや建売物件として建築する「分譲住宅」は23万戸(28.1%)、賃貸目的で建築する「貸家」は29万戸(34.2%)、社宅や教員住宅などの「給与住宅」は8千戸(0.9%)となっています。

②木造住宅の着工戸数
  
木造需要に大きく影響する木造住宅の着工戸数は、平成21年43万戸、22年46万戸、23年46万戸です。木造率(新設住宅着工戸数に占める木造住宅の割合)は、それぞれ54.6%、56.5%、55.7%と5割強で推移しています。
  
23年の木造住宅の着工戸数を建築工法別に見ると、在来軸組工法35万(76%)、ツーバイフォー工法10万戸(21%)、プレハブ工法1万戸(3%)となっています。

③在来軸組工法の木材使用量
  
在来軸組工法住宅における単位面積当たりの木材使用量は、日本木材・住宅技術センターの調査結果(平成13年度)の調査結果によれば、合板類を含めると0.1980㎥/㎡、製材のみでは0.1795㎥/㎡となっています。
   全国的な平均は住宅1戸(120㎡、約40坪)の使用量は約24㎥です。製材使用量は約21㎥となり、この量は10tトラック約2台分に相当します。柱のサイズを12cm角、材長3mで本数換算すると、平均的な住宅1戸には約89本が使用され、また10.5cm角、材長3mでは約115本となります。

④構造材の樹種別使用割合
  
構造材の柱、横架材(おうかざい)(梁)ともホワイトウッド(北欧材)やレッドウッド(欧州材)などの集成材が約7割を占めています。柱では杉、桧とも1割強に過ぎず、また横架材では米松が約2割となっています。
  
このように大手住宅メーカーでは外材使用が多いですが、近年、国産材を積極的に使用する動きも現れています。

⑤長期的な住宅着工戸数予測
  
野村総合研究所(平成23年発表)によると、世帯数が平成27年度まで増加し、その後減少に転じることに着目した結果、新設着工戸数は27年度84.1万戸、32年度は83.4万戸、さらに35年度は78.5万戸と推計しています。このことからも、住宅以外の分野に木材利用を開発していくことが大きな課題です。